症例1
出題:弘前大学医学部附属病院病理部 刀稱 亀代志
症例:80歳代・女性
検査材料:自然尿
標本作製:LBC(Thin prep)
現病歴・臨床経過
約11年前と約4年前に膀胱癌にてTUR-BT施行。組織診断はいずれもUrothelial carcinoma, G2, INFa, pT1であった.以後,経過観察をしていたが,約3年前に膀胱鏡にて内尿道口に乳頭状腫瘍が指摘され生検施行。同日に自然尿細胞診も施行した。
選択肢
症例2
出題:秋田大学医学部附属病院病理部 伊藤 智
症例:70歳代 男性
検査材料:右分腎尿
標本作製:LBC(Sure Path)
現病歴・臨床経過
糖尿病治療中、尿潜血陽性で細胞診施行。尿細管上皮細胞とDecoy cellの出現を認め、ウィルス感染を第一に疑い、陰性(所見あり)と報告した。3年後、間欠的肉眼的血尿が出現し、尿細胞診(自然尿)を3回施行した。しかし、多くの破砕赤血球を背景に少数のDecoy cell が見られるものの、悪性細胞は認められず、陰性(所見あり)と報告した。その後のCT検査で右腎杯に血腫か腫瘍か鑑別困難な腫瘤性病変を認め、精査を目的に右の分腎尿が採取された。
選択肢
※悪性疑い、または悪性を選択した方は推定病変(組織型)も記載してください。
症例3
出題:JCHO仙台病院 我妻 登志子
症例:70歳代 男性
検査材料:自然尿
標本作製:LBC(Sure Path)
現病歴
他院にてPSA値高値のため前立腺生検3回するもNo malignancy。
その後血尿のため受診し、精査にて浸潤性尿路上皮癌(pT2)の診断、TUR-BtおよびBCG膀注。
その後の化学療法のため当院紹介受診した。化学療法後の経過で尿細胞診class~のため膀胱生検およびTUR-Bt施行したが、No malignancy。
今回は、その後の尿細胞診を呈示。
細胞判定および推定される細胞を選択ください
症例4
出題:和歌山県立医科大学人体病教室 松﨑 生笛
症例:70歳代、女性
検体:自然尿
標本作製:サイトスピン
主訴:血尿
選択肢
症例5
出題:公立西知多総合病院 臨床検査科 今井 律子
症例:70代、男性
検体:自然尿
標本作製:沈渣すり合わせ
既往歴
H14年膀胱結石および尿路上皮癌にて結石破砕術、TUR‐Bt施行し、低異型度尿路上皮癌(TCC G1)と診断され、以後経過観察。
現病歴
H25年12月、水腎症にて受診し、CT、造影CTで右尿管壁肥厚を認めた。
自然尿細胞診、右尿管カテーテル尿細胞診施行。
選択肢
症例6
出題:PCL盛岡病理・細胞診センター 工藤 里美
症例:80歳代 女性
検査材料:自排尿
標本作製:2回遠心法(サコマノ液処理)
主訴:血尿
選択肢
推定病変または組織型を記載してください。
症例7
出題:山形大学医学部附属病院 病理部 志田 愛実
症例:80才代 男性
検査材料:自然尿
標本作製:遠心後沈渣すり合わせ
臨床経過・現病歴
肉眼的血尿と頻尿を主訴に前医受診。
CT・膀胱鏡にて膀胱腫瘍及びリンパ節転移疑いで当院紹介。術前尿細胞診。
選択肢
症例8
出題:湯浅報恩会寿泉堂綜合病院 平山 貴博
症例:80代 男性
検査材料:自然尿
標本作製:遠心後沈渣、引きガラス法
主訴:血尿
既往歴:膀胱腫瘍、前立腺癌
選択肢
症例9
出題:済生会横浜市南部病院 病理部 山口 輝子
症例:50才代 女性
検査材料:自然尿
標本作製:沈渣すり合わせ
主訴:血尿
選択肢
症例10
出題:岩国医療センター 佐藤 正和
症例:60歳代 女性
検査材料:自然尿
標本作製:LBC(Sure Path)Cyto Rich Red処理
既往歴
左下腹部痛、肉眼的血尿はなし、エコー検査で膀胱腫瘍を指摘
膀胱鏡所見
左尿管口手前に2.5cm大の有茎性乳頭状腫瘍
CT
上部尿路は問題なし、腎結石あり
上記の膀胱腫瘍摘出術が施行され、 非浸潤性乳頭状尿路上皮癌、高異型度と診断された。検体はTUR-BT1ヶ月後の経過観察のための尿細胞診。
選択肢